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忘却防止装置です。

「知ってると思うけど」という前置きが好き

「知ってると思うけど(ご存知かと思いますが)」という前置きが大好き。だがこれは皮肉とも取れる。そこも山椒のようなものとして考えられるくらい好き。

 

この前置きは大体相互に、またはその集団の中ですでに共有されているかもしれない情報を発信する際に、「は?それくらい知ってるけど」と思われるのを防ぐために用いられることが多いと思う。または大学教授が講義でよくやるこれくらい知ってて当然だと思いますが攻撃で用いられる。その前者の使い方、要するに相手に不快な思いをさせないための気遣いあふれる使い方がすごく好き。

相手がもしかしたらこの情報をすでに入手しているかもしれないという考えが浮かぶ次点でその人、またその人との関係は素敵なのかもしれない。自分は相手より物知りで、どうせこいつは今週の金曜ロードショージブリだということも知らないだろうと考えるようなやつは、自作の浄水器でいう小石のゾーンあたりで詰まって死ぬ。一定の自信を持つことは大切だが過度なものはクソであり、まさに過ぎたるは及ばざるが如し案件だと思う。

そもそもこの前置きはある程度相手の知識や考え方を察した状態でしか出てこないはず。お互いのそれらが近似している状態はとても心地良い。あ〜この人は僕のことを考えてくれてるんだなっていう感覚に包まれながらLINEの通知音を待つ夜を千回超えたらアクアタイムズの気持ちが分かるのかもしれない。

しかしその関係でよく起こるのが言わなくても通じると思った事件。言わなくても通じるだろうという考えが如何に愚かかつコミュニケーションの齟齬を生むかは最近ビリビリ感じているので、やはり前置きはこれからもずっと愛すべき存在なのだ。